阪神から2位指名を受けた延岡学園(宮崎)の身長181センチ大型遊撃手、小幡竜平(3年)が、あこがれの西武源田壮亮内野手(25)を目標に、プロの道に踏み出す。走攻守そろう逸材は、将来の1番ショート定着を宣言。中学で所属した大分・明野ボーイズOBの大先輩のような活躍を誓った。

本人も驚く阪神の2位指名だった。小幡は、1位指名が終わり「下位指名と思い、一瞬中継を見ていませんでした」という。だが一緒にいた関係者が「えっ!」と大声を上げた。中継に視線を戻すと、虎がまさかの指名。「最初、本当に自分の名前なのかと思い、驚きました」と仰天だ。野球グラウンドに出て待ちかまえた野球部員に報告すると、感謝の思いで涙があふれた。

「将来は走攻守3拍子そろう1番ショートで活躍したい」と夢を描いている。阪神の印象は「熱狂的なファンのイメージがあります」と言い、今春センバツ出場した甲子園には「高校は甲子園が目標でした。こういう形でまた土を踏める可能性があることがうれしいです」と声を弾ませた。

抱負を問われ「まずは体づくりを優先させたい」と謙遜した。だがドラフト前、国内10球団と面談を行った逸材は「スローイングや俊足が評価されたと思います」。181センチと大柄で遠投110メートル、50メートル走6秒1。昨秋の新チームから4番・遊撃で高校通算24本塁打のパンチ力も持ち味だ。現在、さらに進化を遂げるべく体幹や筋力トレーニングで下半身を鍛えている。

中学時代の明野ボーイズの先輩、西武源田を励みにしてきたという。だが、それだけではない。今年8月に行われたU18日本代表との壮行試合で、宮崎県高校選抜として出場。対戦した中日1位の根尾らと話す機会があり、小幡は「高校生で騒がれていた選手ばかりだったが、今度はそういう選手に負けないよう頑張りたい」と奮い立ったという。さらには今夏甲子園を逃し「悔いが残った。大事な試合で結果が出せる選手にもなりたい」とリベンジを誓う。走攻守そろう大型内野手が、矢野新監督の下で羽ばたく。【菊川光一】

◆小幡竜平(おばた・りゅうへい)2000年(平12)9月21日、大分市出身。小3から始めた明野北ソフトボールクラブで投手兼遊撃手。中学から明野ボーイズで遊撃手。延岡学園では1年から遊撃手でベンチ入りし秋からレギュラー、昨秋の新チームから4番。今春のセンバツに出場したが2回戦敗退。夏も宮崎大会2回戦で敗れた。趣味は寝ること。遠投110メートル、50メートル走6秒1。181センチ、73キロ。右投げ左打ち。家族は両親と兄2人と弟。