Aクラス死守へ、楽天星野仙一監督(65)が新たに一手を打った。ロッテ戦が雨天中止となった3日、河田寿司捕手(32)を1軍に昇格させた。07年以来5年ぶりの1軍で「打撃では一番いいと下から報告があった」と2軍で打率3割5分2厘、2本塁打の7年目捕手を抜てきした。捕手登録だが、2軍戦32試合で捕手での出場は1試合。DHか一塁での起用だった。長打率5割9分3厘、左の長距離打者として1軍でも主にDHで起用する考えだ。

 河田のDH起用を見越し、もう1つの手も打つ。内野手の枡田に、この日から外野の守備練習を始めさせた。6月26日からDHと一塁で起用しており、現在打率3割3分3厘と好調。河田を使いつつ、枡田も生かすために外野挑戦を命じた。枡田は高校では外野手経験があり、プロでも10年に4試合、左翼で出場。「定位置をつかみたい気持ちはありますが、どこでもやるしかない」と前向きに受け止めた。河田も「僕は打つしかないので」と、チャンスをものにするつもりだ。

 3連勝で貯金3と波に乗るが、星野監督は「うちは1戦1戦、積み重ねていくしかない。すぐ貯金を使う癖があるからな」と手綱を引き締めた。現在チーム得点数は219でリーグ4位。得点力アップへ、使える手は全て打ち、首位ロッテをたたく。【斎藤庸裕】

 ◆河田寿司(かわた・ひさし)1979年(昭54)12月5日生まれ。熊本出身。文徳、三菱重工長崎を経て05年大学生・社会人ドラフト4巡目で入団。1年目06年に10試合出場。07年11試合とあわせ通算21試合。09、10年は内野手登録。入団時の背番号「27」が、今季から「99」に変更。180センチ、90キロ。右投げ左打ち。