<オリックス7-6日本ハム>◇29日◇京セラドーム大阪

 へのつっぱりはいらんですよ!

 オリックス後藤光尊内野手(34)が、今季4度目のサヨナラ勝ちを呼んだ。3時間30分を超えた6-6の9回1死一、二塁、武田久の直球を捉えて中越えのサヨナラ打。「あの場面は自分のことしか考えてなかった」という主役キャラクター思考で、乱打戦に終止符を打った。

 この日は「ヒーローデー」と銘打ち、声優神谷明(65)が往年の人気アニメ「北斗の拳」「キン肉マン」の主人公の声で場内アナウンスを行った。子どものころ、キン肉マンの人形型消しゴムを集めていたキャプテンは「コミックも読んでましたしね。こんな日にヒーローになれてよかったです」と照れ笑いした。

 前半戦終盤の11日には2軍落ちして、10代の若手とともに汗を流した。「やることさえやれば、流れはあると思う」。酷暑のほっともっと神戸で34歳は黙々と居残り特打を繰り返した。

 後半戦スタートのホーム5試合で4勝1敗。2カード連続勝ち越しで、借金を「10」に戻した。岡田彰布監督(54)は「同点で抑え投手がいくのは難しいよ。特に(時間制限で)勝ちがなくなったケースではな」と、武田久乱調の原因を冷静に分析していた。【益田一弘】