壮馬よ、完投せぇ!

 中日山内壮馬投手(27)に今中投手コーチから24日、鬼の完投指令が出された。今日25日西武戦(ナゴヤドーム)で左背筋痛が癒え先発する右腕に、辛口の同コーチから猛ゲキ。「(投手陣は)ここを踏ん張ればというとこで崩れる負の連鎖や。完投がひとつほしい。壮馬がやるやろ」。期待を込め厳しいハードルが課された。

 交流戦は4連勝の後ロードで4連敗。敗れた4試合の平均失点は9。チーム47試合で完投がまだなく、起用投手数208人は12球団最多。規定投球回到達者が1人もいないのは中日だけだ。勝ちパターンの守護神岩瀬らは使えず岡田や武藤が登板過多に陥った。中継ぎ陣にホッとひと息つかせるために、山内完投が必要だ。

 指令を伝え聞いた山内は「もちろん完投するつもりです」と気合十分。西武戦は燃竜(もえドラ)の赤いサードユニホーム。赤い竜で青いレオを迎える。燃竜レッドは、今季7試合ありこれが4試合目。ここまで1勝2敗と分が悪いが、山内は唯一の勝利をつかんだ投手。「自分の中では縁起のいいユニホーム」と気を良くしている。

 投手陣も必死。この日は移動日で、先発陣のみの指名練習のはずが示し合わせたように1軍合流した田島含む14人が勢ぞろい。異例の光景だった。「投手王国」のプライドにかけ再編も進む。清水、大野、西川が抹消。代役候補には山井、鈴木、辻らの名が挙がる。巻き返しを期す投手陣の先頭に、昨季10勝の山内が立つ。【八反誠】