NMB48山本彩(22)は今年、静かに燃えている。グループのため、自らを鼓舞するように「熱さ」を前面に押し出してきた昨年までと違い、今年の政見放送では無言を貫き、メークもクールを意識。一方では、尊敬する阪神金本知憲監督の「超変革」に刺激を受け、心は悲願の頂点へ燃えたぎる。速報4位には「1位は射程圏。(1位を)かっさらいたい」。ナンバの意地をエネルギーに〝奪首〟に進む。

 意志の強さを象徴するような瞳のチカラは年々、増す。今年は怖いほどの強さが宿っている。6月1日、速報順位が発表されると「私も(1位を)狙えないわけじゃないですよね? 射程圏内じゃないけど、NMBから1位、かっさらっていけたら」と口にした。

 静かに、内に、秘めていた闘志が、徐々にあふれ出してきた。今年は直前まで出馬を迷っていた。

 「自分が将来に向けて、やりたいことに費やしたいという本音もありました。でも、それって自分だけのわがまま。みるきーも出ないし、自分だけの意志では考えたらあかん」

 卒業する渡辺美優紀とは創設以来、ともにナンバを引っ張り、昨年も2人で総選挙選抜入り。盟友の卒業決意は以前から把握しており、山本の心は揺れ動いていた。勇気を与えたのは、山本が尊敬する人物にあげていた阪神金本監督の「超変革」。恐れずに若手を起用する新指揮官と、抜てきされた若手がチームのために奮闘する姿だった。

 「選手1人1人、若手もみんな、チームのことを思って、考えてプレーしている。そう思ったら私も !  って。グループがなかったら自分もないですから」

 「超変革」から「背中でNMB48を引っ張る」原点を思い出した。ただ、将来を心配したOG高橋みなみから「自分のことも考えて」と言葉を残されていた。

 「そう言ってくださる人がいて、すごくありがたかった。そういう風に考えていいんやって思えたので。でも、今それ(自分)を思っていいのか、考えたときに、今じゃないと思った」

 高橋の助言とはあえて逆の道を選んだ。それが「山本彩」だ。昨年は「365日の紙飛行機」で、AKB48楽曲で初のセンターを務めたが「追い風は私だけじゃない」と、冷静さは失わない。誠実な人柄を素のままに出す握手会での圧倒的人気も不変。「超変革」に刺激を受けつつ「らしさ」を磨きあげ、頂点を見すえている。【村上久美子】

 ◆山本彩(やまもと・さやか)1993年(平5)7月14日、大阪府生まれ。10年10月、NMB48創設時からキャプテン。写真集などでは大胆な水着姿が注目。昨年は朝ドラ主題歌「365日の紙飛行機」で、AKB48楽曲初センター。今年4月、AKB48との兼任解除を申し入れ、5月に終了。ギターを弾き、あこがれはBoA。夢は歌手。総選挙は11年28位、12年18位、13年14位、14年6位、15年6位。血液型B。愛称「さやか」「さや姉」。