【ロサンゼルス14日(日本時間15日)=横山慧】三浦春馬(25)がハリウッドの劇場で行われた主演映画「進撃の巨人」(樋口真嗣監督、8月1日公開)のワールドプレミア上映会に出席した。上映後の反響も上々で手応えを得た様子だった。各国での公開も決まっており、三浦はこれを足がかりに世界進出も目指す。

 三浦は感激していた。世界初公開となる1時間39分の上映が終わると、スクリーンに「進撃の巨人」と大きく映し出された。ハリウッドの目抜き通りにあるエジプシャン・シアターを埋めた600人が拍手する中、何度も頭を下げた。自分も力強く拍手し、笑顔がはじけた。「本当に大興奮です。後ろでお客さんが『マーベラス(すばらしい)』って言っていて、泣きそうになりました。幸せな気持ちでいっぱいです」。初めて訪れた「映画の都」で認められ、表情には充実感があふれていた。

 「進撃の巨人」は、全世界累計5000万部突破の人気コミックが原作。既に63の国と地域で公開が決まっている。関係者によると最終的な公開規模は100カ国以上になる見込みという。米国でも早ければ今年秋に公開される。米国内の配給権を持つ配給会社の副社長、アダム・ゼナー氏(40)は「『進撃の巨人』は米国でもブーム。日本独自の特撮技術や監督の腕もいい」。日本映画は15~30館規模の公開が普通だが、「進撃の巨人」は200館規模の可能性もあるという。

 三浦にとって本格的な海外進出に向けた大チャンスとなる。昨年は日中合作映画「真夜中の五分前」に主演し、流ちょうな中国語を披露。今は独学で英語も学んでいる。この日も舞台あいさつで「大人気原作の映画主演はかなりのプレッシャーを感じましたし、スタッフもキャストもこの映画に人生をささげました」と英語であいさつして拍手を浴びた。主演作の大規模な世界公開によって、各国の映画関係者の目に留まるチャンスも増えた。世界進出については「身近な人が喜んでくれるならば、どんどんチャレンジしていきたい。縮こまらずにいろんな人と仕事をしたい」と意欲を示した。

 ハリウッドに足を踏み入れ、夢も膨らんだ。「感動を味わわせていただいたので、また来られるように努力します」。樋口監督から「次は、ここから500メートル先にある(アカデミー賞授賞式会場の)ドルビー・シアターがいいよ」と水を向けられると「ハードルを上げるんですね」と苦笑いした。感激の一夜を味わった三浦の世界に向けた「進撃」がスタートした。

 ◆映画「進撃の巨人」 人間が巨人に食べられる世界が舞台。巨人から身を守るために作られていた壁が、ある日突然壊されるところから物語が始まる。最新映像技術を使い、巨人を再現。文明が崩壊した世界観を描くため、長崎・軍艦島(端島)でも撮影した。三浦と水原のほか、本郷奏多、石原さとみ、桜庭ななみ、三浦貴大らも出演。前・後編2部作で後編は9月19日公開。