新しい演出で来年4月から東京・帝国劇場でロングラン上演されるミュージカル「レ・ミゼラブル」(4~7月)の新キャストが21日、分かった。87年初演で上演回数は2500回を超えるが、今回はロンドン公演25周年記念の新演出版となる。韓国人俳優、人気声優、アンサンブルからの抜てき、新人の起用など新時代キャストがそろった。

 出演経験者も含め全キャストは英国人演出家立ち会いのオーディションを受けて決まった。主人公ジャン・バルジャンは山口祐一郎と韓国人俳優キム・ジュンヒョン。キムは韓国で「ミュージカル

 ゾロ」などに主演し日本デビューとなる。ジャベール警部は前回はジャン・バルジャン役の吉原光夫と川口竜也。川口はアンサンブルで出演したが、一躍大きな役を手にした。ファンテーヌは前回出演の知念里奈、和音美桜に加え、里アンナが初参加。里は奄美大島出身の歌手で、ミュージカル初出演。エポニーヌは笹本玲奈、昆夏美、声優の平野綾。平野は声優として人気を誇り、舞台出演も多いが、大型ミュージカルは初登場。過去に斉藤由貴らが演じたコゼットには大舞台経験のない新人若井久美子が起用される。

 新演出版はロンドンで25周年記念で初上演され、ツアー版でも上演されている。共同演出のローレンス・コナー氏は「大型スクリーンを使い(原作者)ビクトル・ユゴーの描いた絵が映し出される。時間の流れもしっかり描き込んだ演出になる」。共同演出のジェームズ・パウエル氏も「全体的な役柄のトーンも変えた。特にコゼットは大きく変え、元気で明るいコゼットになっている」。8~10月に福岡、大阪、名古屋で上演。【林尚之】

 ▼その他のキャスト

 マリウスは、山崎育三郎、原田優一、田村良太。アンジョルラスは、上原理生、野島直人。テナルディエは、駒田一、KENTARO、万谷法英。マダム・テナルディエは、森公美子、浦島りんこ、谷口ゆうなに決まった。