楽天野村監督、小倉で勝利拾った
<オープン戦:楽天5−2横浜>◇8日◇高松
野村再生工場で楽天1勝−。楽天が横浜に5−2で勝ち、野村克也監督(70)がオープン戦6試合目で待望の初勝利を挙げた。オフにトライアウトで再雇用した先発の小倉恒投手(35)が好投、山村、小山と他球団で1度は戦力外となった3投手が2失点リレー。攻撃でも酒井忠晴内野手(35)が絶妙のエンドランで先制点を演出するなど「再生工場」を経た選手らが実力を発揮。プロでは約5年ぶりとなる思い出深い勝利となった。
あまのじゃくだ。うれしいときほど、逆の言葉が出る。「初勝利? ぴんと来ないね。オープン戦で勝って喜んでるようじゃダメ」。ムッツリを決め込んだノムさんは、試合後のハイタッチに参加しなかった。だがベンチでは勝利の瞬間、次々と祝福の手を差し伸べられた。オープン戦とはいえ、5試合も勝利がなかった。苦楽をともにするコーチ陣と笑顔の握手。初勝利の味をかみしめた。
阪神監督時代の01年10月3日ヤクルト戦以来、約4年半ぶりの勝利。立役者は、苦労人ばかりだった。先発小倉が3回まで完全投球でリズムをつくった。昨年オフ、1度は楽天から解雇された。それでも挑戦したトライアウト(入団テスト)で、その小倉を引き取ったのがノムさんだった。「相手が2軍メンバーだから参考にならん。まあ責任を果たしてホッとしてるだろう」。辛口の後はねぎらいの言葉もかけた。99年阪神時代に戦力外となった山村が2番手でつなぎ、中日から無償トレードで入団した10年目小山が締め、3人で2失点リレーが完成した。
攻撃でもベテランのいぶし銀の働きが光った。初回無死一塁。2番酒井がエンドランで三遊間に転がした。スイングは不格好だったが「あれが1番のポイント。ベースカバーに入る動きを読んでいた」と絶賛。中日を解雇されたが、プロ17年の経験を生かした内野安打だった。その後、フェルナンデスの3点適時二塁打につながった。他球団でダメ出しされた選手に活躍の場を与え、復活させる。「再生工場」の本領が発揮された1勝だった。
前日7日の阪神戦では、毎回安打を放ちながら完封負けした。その打線が、初回から4得点と爆発。試合前に選手を集めた。「オープン戦とはいえ、負け続けるのはいい気がしない。気持ちで今日は勝とうや」。勝利に飢えているナインに、団結力を植え付けた。勝ち星がつかない焦りを、力に変えた。くしくも、昨年まで指揮したシダックスも公式戦初勝利を挙げた。70歳指揮官が、プロアマで二重の喜びを味わった1日だった。【柴田猛夫】
[2006/3/9/09:14 紙面から]
写真=ボヤキ過ぎでベンチもボヤ騒ぎ? 7回裏、野村監督はボヤキながら火鉢の火をおこしていると炭が破裂。パーンという大音響とともに煙に巻かれる
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