松永騎手が調教師試験に一発合格
JRAは16日、06年度の新規調教師・騎手免許試験の合格者(調教師11人、騎手9人)を発表した。通算1395勝を挙げる松永幹夫騎手(38=栗東・山本)が難関を突破。20年の騎手生活に別れを告げ、調教師として新たなスタートを切る。
カメラのフラッシュを浴びながら、松永は胸を躍らせた。「20年前に騎手デビューしたときと一緒。すごくワクワクしています。いつかは(調教師に)なりたいと思っていました」。初めての受験で見事に難関を突破。共同記者会見に臨んだ表情はやや緊張気味にも映ったが、それでも時折のぞく笑顔から、大仕事をやり遂げたという安堵(あんど)感が伝わってきた。
まだ38歳という若さ。ヘヴンリーロマンスと挑んだ昨年の天皇賞(秋)では初めて牡牝混合のG1も制している。騎手としての円熟期を迎えたこの時期に調教師への道を選択したのは、立ち向かう仕事の難しさを分かっているから。「どうせやるなら元気のあるうちにやりたかった。それがちょうどこのタイミングだったということ」。現在、競馬の世界を取り巻く環境は非常に厳しい。調教師も今まで以上に指導力、行動力を要求される。だからこそ30代での転身を決めた。
調教師としての目標を尋ねられると、迷いなくこう答えた。「馬主さんからは大切な馬を預かる仕事ですからね。丈夫で強い馬を育てたい」。だれもが認めるまじめで誠実な人柄が、自然と伝わってくるようなコメントだった。師匠の山本正司師(69)も「ミキオについては人間的には何も心配していない」と全幅の信頼を寄せる。ファンや厩舎関係者から愛される調教師となるのは間違いない。
調教師・松永幹夫への期待が膨らむ一方で、騎手としての勇姿を見られるのは2月限りとなる。残りは2週間。「(最後まで)乗ります」と力強く語った。区切りのJRA通算1400勝まであと5勝にも迫っている。最後まで騎手として全力投球を貫き、3月1日には第2の人生のスタートを切る。ミキオの新たな挑戦がこれから始まる。
◆松永幹夫(まつなが・みきお)1967年(昭和42年)4月10日、熊本県生まれの38歳。86年3月に山本正司厩舎からデビューし、通算1万2397戦1395勝(成績は16日現在)。ヘヴンリーロマンスで制した昨年の天皇賞(秋)などG1制覇は6度。重賞は通算53勝。162センチ、49キロ。
[2006/2/17/08:48 紙面から]
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