【マナマ(バーレーン)2日=岡本学、西尾雅治、佐々木一郎、山下健二郎】日本代表ジーコ監督(52)が、就任以来最大の危機を迎えた。W杯出場を左右する大一番となるアジア最終予選第4戦バーレーン戦は、3日午後7時35分(日本時間4日午前1時35分)にキックオフを迎える。日本代表は2日午後5時半からバーレーン国立競技場で公式練習を行った。勝てばW杯出場へ王手、逆に負ければ3位へ転落する一戦に、MF小野伸二(25=フェイエノールト)の欠場が決定。前日1日の紅白戦で右足第5中足骨を疲労骨折したもので、ジーコ監督も布陣変更を余儀なくされた。数々の逆風を乗り越えてきたジーコ監督は公式会見で「とにかく勝ちを意識して戦いたい」と勝利へ意欲を見せた。
試合前日の公式練習でジーコ監督は笑顔で選手へ語りかけた。離脱した小野の話題に円陣の中で爆笑が起こる。選手を信頼の目で見詰め、決戦前、最後の練習をスタート。約1時間、フォーメーション練習、ミニゲームで準備を終えた。公式会見では5月27日キリン杯UAE戦後、6日ぶりに決戦へ向けコメント。
ジーコ監督「明日の1勝で本大会が近づく。いい準備ができた。とにかく勝ちを意識して戦いたい」。
前日1日の練習でジーコジャパンにアクシデントが襲った。攻守の要、そして精神的な支柱として期待していた小野が紅白戦で負傷。エックス線検査の結果、疲労骨折が確認され、小野の離脱が決定。バーレーン、8日の北朝鮮両戦の欠場が事実上、決まった。
5月31日に中田英、中村、柳沢のイタリア組が練習に合流し、1日には2日連続で紅白戦が行われていた。前半9分には自陣小野の左から右への素早いサイドチェンジから加地、中田英とわたり中村がシュートを放つ、ジーコ監督が描く理想的な攻めの形もできていた。その直後に、自陣でドリブルをし損なった小野が突然、右足を引きずった。
小野離脱でジーコ構想は変更を余儀なくされた。1・5列目に起用した中田英をボランチに下げ、攻撃的MFに小笠原を投入した。新システムがようやく軌道に乗りかけていた矢先の緊急事態。満足にコンビを合わせる暇もなく決戦を迎える。
ジーコ監督にとって、02年7月の就任以来最大のピンチといえる。これまでは信頼していた選手たちの規律違反、自身への解任要求、試合中の停電、台風による遠征出発延期など、さまざまな困難を乗り越えてきた。これに追い打ちをかけるように「ジーコジャパンの集大成」と位置付けたバーレーン戦を前に問題が噴出。FW高原の故障欠場、早期合流の可能性もあった中村、中田英の2人も試合3日前からの練習参加という想定された最悪の結果、これに小野の離脱、試合直前の布陣変更と、これまでで最大級の試練が与えられた。
自身で「いばらの道」と表現してきたW杯予選は、予想を超える出来事が連続で起きる。それでも、ジーコ監督は日本の3大会連続W杯出場へ全身全霊を懸けて戦う姿勢を貫いている。
ジーコ監督「結果によっては本大会に近づく。真剣にすべてを出し尽くす。(W杯予選は)これまで8勝1敗。今日までやってきたことを最大限評価して自信を持って臨みたい」。
これまでの苦労を無にしないためにも、ジーコ監督は強い気持ちをもって勝利で最大のピンチを乗り切る。【岡本学】
[2005/6/3/09:04 紙面から]
写真=バーレーン戦前日練習を行う日本代表イレブンのミニゲームをピッチ外で座って見つめる小野(撮影・鹿野芳博)
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