復活カネヒキリがG1連勝/東京大賞典
<東京大賞典>◇29日=大井◇統一G1◇ダート2000メートル◇3歳上◇出走10頭
2番人気のカネヒキリ(牡6、栗東・角居)が、ヴァーミリアン(牡6、栗東・石坂正)との激しいたたき合いを首差で制し、G1を連勝した。勝ち時計は2分4秒5で、上がり3ハロンはダートでは驚異の35秒1。重度の屈腱(けん)炎から立ち直ったスーパーホースがJCダートに続き奇跡を起こした。3着には2番手に控えたサクセスブロッケン(牡3、栗東・藤原英)と中央勢が独占した。
カネヒキリとヴァーミリアンが抜け出した。ルメール対武豊。馬体がぶつかる壮絶なたたき合いだ。両者のムチが飛ぶ。譲る気配はない。ゴール50メートル手前、ヴァーミリアンが一瞬前へ出た。カネヒキリ万事休すかと思われた時、ルメールの鼓舞にこたえてグイッと首を突き出した。首差で栄光をつかんだのは、カネヒキリだった。
1000メートル通過が64秒4とはいえ、上がりは35秒1。芝のレースかと見間違うほどの切れ味だ。ルメールは「ペースがそれほど速くなかったし、スタートも良かったから3番手に。マッチレースになるのを待っていたんだ。並んだら最後頑張るのを知っていたから」と笑顔を見せた。自身は、エリザベス女王杯(リトルアマポーラ)、JCダートに続きこの秋G1・3勝の大暴れ。「楽しいスペクタクルだった。来年もこのタイトルを取りに来たい」とファンの声援に応えた。
角居勝彦師(44)は「最後は思わず『カネ!』って声が出ちゃったよ」と苦笑い。2度の屈腱炎。臀(でん)部の幹細胞を屈腱に移植する手術を受けた。難病を患った馬が復活しG1を連勝。未来が開けた。「1戦1戦が勝負。こわごわだけど、G1を目指して手加減するわけにもいかない。往年の強い力を出せる状態になった。本当に素晴らしい」。誇らしげな表情で愛馬をたたえた。
これでダートでは史上2位タイとなるG1・6勝目。05年に続き2度目の最優秀ダートホースも近づいたが、来年は国内に専念する構えだ。「オーナーとも相談したが来年も国内で、と。あちら(海外)はスパイク(ひづめ)を履いたり、トレーニングする環境も違うので。フェブラリーSに向かっていくことになるのでは」とトレーナー。有馬記念のダイワスカーレットに続き、強い馬が強い競馬を見せ、08年競馬の大一番が幕を閉じた。【和田美保】
[2008年12月30日8時26分 紙面から]
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