<W杯アジア2次予選:日本3-0シンガポール>◇E組◇12日◇シンガポール・ナショナルスタジアム

 日本は90分間のペース配分どうこうより、前半から力を出し切りにかかった。そこで生まれた連係にこの試合に対する取り組み、考えが表れた。前回同様、シンガポールはラインを下げて守ってきた。こちらの目的は守備ブロックの編み目を大きくすること。ミドルレンジからのシュートで相手を引き出す、縦への引っ張り。そしてサイドを切り崩して相手を横へ引っ張りだす。縦と横の攻め口がバランス良くかみ合った。

 目先を変える大きな展開や深いクロスで守備を散らし、相手の倍近いパススピードでも揺さぶった。特にショートパスが効き、向こうに組織として守る時間、考える時間を与えず、日本はゴールを仕留める準備を整えた。攻撃のフォローもできていたから、競り合いで負けてもボールを拾える。連続的な攻撃へとつながった。(日刊スポーツ評論家)