“ハリルの晩さん”で海外組を勇気づける-。日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(62)が今日18日に、欧州でプレーする日本人選手の視察に向かう。選手と対面して直接言葉をかけ「勇気づけたい」と話しているが、一緒に食事をしながら、膝をつき合わせて徹底的に話し合いたい意向を持っていることが17日、判明した。完璧主義の指揮官の欧州視察は、これまでにない形になりそうだ。

 これもハリル流だ。休みなしで仕事に没頭する指揮官は、日本を離れても独自のやり方で代表チームの強化をはかる。日本協会関係者によると、ハリルホジッチ監督はただ試合を視察するだけではなく、視察先の選手と一緒のテーブルにつき、食事をしたいという強い意向を持っているという。膝をつき合わせた“ディナー面談”で熱い思いを伝えるつもりのようだ。

 同監督は、今日18日に渡欧する。最初の目的地はイタリア・ミラノ。19日夜(日本時間20日早朝)には本田と長友が敵味方に分かれて戦う伝統の「ミラノダービー」がある。左足首捻挫から復帰する見込みの本田と、右足の故障で3月の代表招集を辞退した長友の状態把握が最初の仕事となるが、ただ試合を見る「視察」では終わらせない。

 14日のJ1、J2実行委員会では「本田を勇気づけたい。長友には『自信を持て』と言いたい。ACミランだろうがインテルミラノだろうが『代表でプレーしたければ席(定位置)を奪え』と要求する」と、Jクラブの社長を前に宣言していた。スケジュールが許せば、同じミラノに住む本田、長友と3人でテーブルを囲み、食事をしながら思いを伝えることになる。

 現時点で日本協会が発表済みの視察予定は24日のマインツ-シャルケ(マインツ)、25日はドルトムント-フランクフルト(ドルトムント)となっている。いずれも日本人選手対決の可能性がある。スケジュールの都合がつけば、もちろんドイツでも、その後の視察先でも選手とテーブルを囲む可能性がある。

 指揮官はこの日も東京・JFAハウスを訪れ、一部スタッフと話し合いを行った。その場で「私がいない間も、会議をして情報共有を進めるように」と指示を出したという。熱い熱いハリルトークの嵐の中、食事を口に運ぶ暇があるのかどうか…。それが心配だが、濃密な欧州視察となるのは間違いなさそうだ。