イングランドが5万4027人が詰め掛けた完全アウェーの中で、地元カナダを破った。3度目のW杯で初の4強入り。サンプソン監督は「この雰囲気の中で勝てたのはすごい。選手を誇りに思う」と喜んだ。

 試合開始から前線からのプレスで相手に圧力をかけた。前半11分、今大会初先発のFWテイラーが相手DFのミスを見逃さずボールを奪い、ドリブルから右足でゴール左隅に決めて先制。3分後にはMFウィリアムズのFKをDFブロンズが頭で決めた。FKからの得点は決勝トーナメント1回戦に続き、2戦連続だ。

 前半42分に1点を返され、後半はカナダの猛攻に受けに回ったが、前線からのプレスと当たりの強さを生かした守備でしのいだ。

 日本とは対照的に縦にロングパスを出して攻めるスタイルを貫く。日本戦に向けてサンプソン監督は「日本のことはよく知っている。前回のチャンピオンだ。これから試合のプランを立てる。決勝に進出したい」と意欲を見せた。

 ◆日本のイングランド戦 13年6月に敵地で行われた親善試合で1-1と引き分けて以来の対戦で、通算成績は2分け2敗。優勝した11年のW杯ドイツ大会では1次リーグ最終戦で0-2と完敗。ロングボール主体の攻撃に押された。身体能力で勝る相手との対戦に課題を残した一戦となったが、攻守に出た反省点を修正し、準々決勝での歴史的なドイツ戦初勝利や、その後の快進撃につなげた。イングランドは前回とは監督も異なり、メンバーも約半数が変わっているが、基本的な戦い方に変化はない。

 ◆イングランドの今大会 1次リーグ初戦のフランス戦は0-1の1点差負けだったが、その後は4試合連続で1点差勝ちしている。守備は非常に粘り強く、相手のシュートをブロックした回数は計17回と、日本の14回を上回る。体を投げ出すようにしてシュートコースをふさぎ、ブロックするプレーは多い。準々決勝のカナダ戦ではボール保有率42%と守勢に回ったが、相手のシュートを3本ブロックし、計14本のシュートのうち枠内シュートを3本に抑えた。