日本(FIFAランク56位)がE組首位での最終予選進出に前進した。FW岡崎慎司(29=レスター)が今年の日本第1号となる芸術ゴールを決めるなど、5-0でアフガニスタン(同151位)を圧倒。国際Aマッチ通算48得点とした岡崎は、プレミアリーグで優勝目前の勢いを代表にも持ち込んだ。日本は通算6勝1分けで首位を守り、29日にシリアとの2次予選最終戦(埼玉)を迎える。

 日本の16年初ゴールを「ミラクルレスター」を引っ張る岡崎が決めた。攻めあぐねて迎えた前半43分。MF清武からの鋭いパスを右足でコントロールしながら反転。すぐさま右足で左にかわすと視界が開けた。左足で落ち着いて左隅に決めた先制ゴールは代表戦通算99試合目で48点目。「ターンしてイメージ通りシュートまでいけた。(金崎)夢生が貪欲に打っていくから、自分もまた燃えました」と表情を緩めた。

 兵庫・滝川二の2年後輩の金崎と2トップを組んだ。プレミアリーグで活躍するストライカーたちの姿を見てきたから固定概念には縛られない。ゴール前のポジションを譲らない後輩を見て、1列下がった位置でボールを引き出し、4点に絡んだ清武とともに攻撃を機能させた。「新たな形になる2トップの可能性を増やせた。3人でダイナミックにやれた」と、新オプションに手応えをつかんだ。

 所属するレスターでは世界最高峰のリーグで想定外の首位を走る。今季から加入して5得点。ニューカッスル戦(14日)ではオーバーヘッド弾を決めて話題をさらうなど堂々と主力として活躍する。奇跡を起こす準備に努力は惜しまない。12年から個人トレーナーの契約を結んでいる杉本龍勇氏に今年に入ってから2度も渡英してもらい、アドバイスを受けた。「鈍足」を自覚するから、走り方から改善し試行錯誤を繰り返す。走力アップと同時に、体のキレを増すための準備を続けてきた。

 W杯2次予選の最終戦となる29日のシリア戦で出場すれば節目の国際Aマッチ100試合を迎える。「今日、貴重な先制点を取れてチームを楽にできてよかった。ただシュートはあれだけ。そこは物足りない。個人的には次が100試合目。2点取って50点100試合と、いってみたい気持ちはある」。メモリアルゲームになるであろう5日後に目を向けた。【栗田成芳】

 ◆岡崎の記録メモ Aマッチ通算得点は歴代3位の48点目で、そのうち先制点は15点目。その試合でチームは15戦全勝と、先制点を決めれば負けない不敗神話は継続した。年の初戦でのゴールは09、13、14年に次ぐ4点目で、Jリーグが発足した93年以降ではカズ(三浦知良)らの2点を抑え最多。これで釜本(75点)カズ(55点)に次いで史上3人目の通算50得点にあと2。29日のシリア戦で2点を挙げれば、通算100試合目での50点到達となる。

 ◆レスターでの岡崎 8月8日の開幕戦サンダーランド戦でスタメンに連ねると、第2節ウェストハム戦で移籍後初得点。その後は先発で出続けるも得点出来ず。第10節から4試合連続ベンチスタートとなった。1月10日のFA杯トットナム戦で途中出場ながらゴールを奪うと、3日後の第21節から11試合連続先発。3月14日の第30節ニューカッスル戦でオーバーヘッドを決めた。第31節終了時で29試合(先発22試合)5得点。首位を走るチームでレギュラーをつかんだ。