大相撲が八百長問題に揺れる中、日本サッカー協会(JFA)がエリート選手を育成する「JFAアカデミー福島」の男子生徒3人が12日、東京都中野区の貴乃花部屋で朝稽古に参加し、四股や股割りなどを体験した。

 今回が3度目となる相撲部屋体験実習。早朝から稽古を見守ったJFAの川淵三郎名誉会長は3月の春場所中止が残念そう。「600人くらいいる幕下以下の力士は強くなりたいと思い、激しい稽古をしている。その子らのことを思うと胸が痛む。思い切った改革をしてもらいたい」と相撲協会に提言した。

 JFAがサッカー関連の質問に限定したため、貴乃花親方(元横綱)は八百長問題について言及しなかった。同親方は「相撲の基本動作は他の競技にも役立つ。体にたたき込んでもらいたい。相撲界に触れてくれたことに感謝したい」と話した。実習生の一人、中学3年生の小池龍太君は「力士の皆さんといろんな話をして勉強したい」と目を輝かせた。

 11日午後から始まった実習は、中学生が貴乃花部屋のほか出羽海部屋など計5部屋に泊まり込み、13日まで行われる。