<女子W杯:日本2-2(PK3-1)米国>◇決勝◇17日◇ドイツ・フランクフルト

 W杯決勝の大舞台でも、MF宮間あや(26=岡山湯郷)との冷静なプレーは変わらなかった。1得点、1アシストで全得点に絡み、日本を2度の窮地から救った。それでも「先に失点して、取るしかなかったので」とさらりと振り返った。

 後半に1点を失い、残りは約10分。時間が刻々と過ぎる中、好機を逃さなかった。36分、FW丸山桂里奈(28)と相手DFが交錯し、ゴール前にボールがこぼれる。相手2人がもたつく間、その間に走り込んだ。「逆サイドから入っていくのは、いつも通り」とクリアを体に当てて弾んだところで左足を伸ばし、GKソロの届かない左へ蹴り込んだ。

 延長後半12分には左CKを蹴ってMF沢穂希(32)を目がけた。「相手GKが倒れている間に相談した。私は合わせただけ」というが、近寄ってきた沢だけが触れるピンポイントにボールを運ぶ正確なキックはさすが。「セットプレー以外の好機をつくれていなかったし、結果的に大きかった」と言う。

 優勝して「最高の結果で最高の気分」と話したものの、はしゃいだ様子はない。「120分間やって、ぎりぎり追い付いた。優勝はうれしいけど、米国相手に90分で勝てるチームにならないと」とさらに上を求めた。