日本代表の岡田武史監督(51)が、G大阪の西野朗監督(52)から首を絞められた!?

 岡田監督は29日、都内で行われたJリーグ監督会議に出席。J33クラブの監督の前であいさつし、コミュニケーションの良さをみせた。早大―古河電工の選手時代、札幌と横浜での監督経験などで培った人脈は盤石。選手供給元のクラブからの雑音を封じて、W杯出場へ専念する。

 監督会議が終わっても、岡田監督は部屋から出てこなかった。旧知の監督たちへのあいさつ回り。東アジア選手権に6選手を出したG大阪の西野監督からは、いきなり首を絞められた。「協力ありがとうございます」とたじたじだったが、険悪な雰囲気はない。西野監督も笑いながら「首絞めてやったよ」と言った。

 京都の加藤監督を含めた3人の「話し合い」は5分以上。黄金時代を築いた早大時代のチームメートだけに、話は弾む。西野監督は「どんどん呼んでもらっていい。どこのポジションで使ってもらっても問題はない」と協力を約束。加藤監督も「チームの実績を上げれば、代表に呼ばれる選手も出てくる」と、岡田監督に協力する姿勢を見せた。

 早大の先輩、後輩だけではない。「話しやすいし、協力は惜しまない」という横浜の桑原監督には、かつて指導を受けた。「考えていることは、よく分かる」と話す札幌の三浦監督はドイツ留学時代からの付き合いだ。浦和のオジェック監督とは得意のドイツ語で会話。社交的な性格は、外国人監督との積極的なコミュニケーションにも表れる。

 この日の監督会議で、岡田監督は2月に選手を供出してくれたお礼と、今後の選手供出のお願いをした。J監督から反論や意見は1つもなかったという。代表対クラブの監督の確執という「世界の常識」は、今の日本には当てはまらない。昨年11月にオシム監督が倒れた時、協会が重視した後任の条件は「コミュニケーションがとれる監督」。岡田監督は人脈を生かしてJクラブとの良好な関係を保ったまま、さらに日程が密になるW杯アジア最終予選(9月~)を目指す。