岡田ジャパンが、欧州色に染まる。日本代表の岡田武史監督(51)は2日、キリン杯(24日~)に招集する代表メンバーとして欧州でプレーする5選手の名を挙げた。この日、セルティックMF中村俊輔(29)ら3人の所属クラブに招集に向けたレターを送付。バーゼルDF中田浩二(28)らも体調次第で呼ぶ可能性があるという。欧州組を加えた代表は、キリン杯を経て6月2日のオマーン戦(日産ス)で再開するW杯3次予選を目指す。

 岡田監督が「W杯予選に直結する大会」と位置づけるキリン杯に向けて、大量の欧州組を招集する。これまでも招集したことがある中村、中田にフランクフルトMF稲本、1月の招集を辞退したボルフスブルクMF長谷部、岡田ジャパン初招集となるルマンのMF松井。欧州組抜きで敗れた3月のバーレーン戦ショックを払拭(ふっしょく)するように、一気に5人の名前が挙がった。

 すでにこの日、中村と長谷部、松井の所属クラブにはレターを送付。小野技術委員長は「招集の可能性があるというだけで、決まったわけではない」と話したが、15日に予定されるメンバー発表で名前が出るのは確実。さらに、岡田監督は「稲本は呼んでみたい」と話し「(中田)浩二はケガの問題もある」と言った。

 稲本は右太ももの肉離れが完治しておらず、右ひざを手術した中田も10日のリーグ最終戦での復帰を目指している段階。しかし、代表スタッフが本人と直接連絡を取り合って状態を確認しているほど、岡田監督にとって大事な存在だ。ケガが治れば、代表に加わるのは間違いない。

 最多10人の欧州組を招集したことがあるジーコ元監督と違って、オシム前監督も岡田監督も欧州組の招集には慎重だった。しかし、あくまでもコンディションも問題で、岡田監督も「欧州でプレーしているんだから、力はある」と評価していた。今回はキリン杯から6月のW杯予選4連戦と続く長丁場。欧州のリーグ戦も終わっていることから、体調面でも問題は少ない。

 仮に5人が招集されてスタメンに名を連ねると、GK川口、FW高原、大久保を合わせて11人中8人が欧州でのプレー経験者となる可能性もある。バーレーンに敗れてW杯出場へ危機感が漂う岡田ジャパン。そのピンチを救うのは、経験豊富な欧州組だ。【荻島弘一】