19歳のファンタジスタが岡田監督に一発回答する。日本協会は15日、キリン杯(24、27日)の日本代表27人を発表。4月の候補合宿に参加したJ2C大阪のMF香川真司(19)が平成生まれで初めて日本代表に選出された。チームは20日から合宿を始めるが、香川は21日のJ2福岡戦(長居)出場後の22日に合流予定。6月のW杯3次予選に生き残るため、事実上27日パラグアイ戦(埼玉ス)だけでアピールする。また、岡田武史監督(51)は「オレ流」の軸に、就任後初めて招集したMF中村俊輔(29=セルティック)を指名した。

 香川が吉報に、喜びを通り越して驚いた。午後3時ごろ、C大阪関係者から岡田ジャパン入りを伝え聞いた。5月から通う自動車教習所の授業に出席するはずだったが、クラブが用意した記者会見に直行。大急ぎで寮からクラブハウスに移動し、素直な思いを口にした。「びっくりした。教習所どころやないなと思った」と初々しい。だがすぐに「本当の戦いはこれから」とスイッチが入った。

 C大阪で21日の福岡戦(長居)に出場するためめ、代表合宿合流は22日になる予定だ。24日のコートジボワール戦(豊田ス)は準備期間が1日しかなく、長時間の出場は難しい。事実上、27日のパラグアイ戦だけで結果を出さないと、6月のW杯3次予選メンバーに生き残ることはできない。「海外組の選手もいる中で自分の力を発揮したい」と意気込んだ。

 平成生まれで初めての代表選手だが、19歳の若武者にも自覚が芽生えている。「俊輔さんとか、松井さんはテレビでしか知らない。見て学びたい」と競演を楽しみする一方で「自分も子どもたちから目標とされる選手になる」と言い切った。かつてはファンだったが、今では俊輔や松井もポジションを争うライバル。「自分のよさを出してアピールする」と力強く言った。

 4月の候補合宿では連日ゴールを決め、岡田監督の評価を上げた。晴れて「候補」がとれ、正真正銘の日本代表となったが「選ばれただけでは満足できない。時の人では終われない」と繰り返した。W杯予選、北京五輪、そして10年W杯南アフリカ大会へ。香川が勝負強さを発揮し、チャンスをものにしてみせる。【奈島宏樹】