俊輔がついに岡田ジャパンの戦いに登場する。日本代表MF中村俊輔(29)が、27日のパラグアイ戦に出場することが濃厚になった。前日25日に左足の違和感を訴え、出場が危ぶまれていた。26日午前に埼玉県内で精密検査を受け「左足付け根の炎症」と診断されたが、最終調整には合流。6月のW杯アジア3次予選に向けて、最後の実戦でチームに融合する。岡田監督も「ぜひ使いたい」と、「仮想オマーン戦」と位置づける一戦での起用を明言した。

 中村俊が、周囲に渦巻いていた出場への不安を一掃した。前日に左太もも裏に違和感を訴えていたが、午前の検査で左足付け根部分の炎症と分かった。「やりながらできるという判断。初めての個所だけど平気でしょう」。岡田ジャパンでの初戦となるパラグアイ戦出場へ、決意を固めた。

 司令塔として期待を受けているのは、フォーメーション練習でも明らか。FW大久保、MF松井、長谷部と同組の青色ビブスを着て、ダイレクトパス主体でゴール前に迫った。全体で5組に分かれた中で、攻撃の中枢を担うグループであることは一目瞭然(りょうぜん)。欧州組が集結した中心に中村俊がいた。

 最後の1ピースといえる存在がついに加わり、岡田監督の表情も和らいだ。「明日の朝に大きなリバウンドや問題がない限り、使いたい。何分使うか分からないが、ぜひ使いたい」。合宿前から故障者が相次ぎ、前日も中村俊の状態に「優勝と一緒にケガまで持ってきた」とヤキモキしていた。それだけに出場可能という朗報は、同監督をひと安心させた。

 現代表のサッカーをまだ映像でしか見てない中村俊にとって、仲間と感覚を共有できる試合は重要だ。個人的に映像をチェックしていたコートジボワール戦をこの日のミーティングでも確認。「切り替えを速くして全員守備、全員攻撃ということは分かっている。あとはボールを取ってから遅攻なのか速攻なのか、イメージを一緒にしたい」。残る課題はチームメートとの意思統一とした。

 過去のW杯3次予選2戦はクラブの試合もあり、招集が見送られてきた。6月の4連戦でやっと参加が実現。期待を一身に背負う男は「4連勝するまでがオレの今シーズン」と宣言していた。中村俊が日本代表の大きな推進力になるはずだ。【広重竜太郎】