<練習試合:日本代表2-0流通経大>◇20分×3本◇30日◇千葉県内

 岡田ジャパンが大学生相手に失態を演じた。千葉県内で30日に行われた流通経大との練習試合は2-0で辛勝、終盤は主導権を握られるなど課題を残した。W杯最終予選に向けたテストを兼ねた日本代表候補合宿は、この日で3日間の日程を終了。「大学生3軍」相手に、速い攻守の切り替えなどを試せなかった岡田武史監督(51)は、8月20日のウルグアイ戦(札幌)での「追試」を決意。9月6日のバーレーン戦に向けた壮行試合は、代表生き残りへのサバイバル戦となる。

 岡田監督の口から苦しい言い訳が漏れた。「結果はどうでもいい。負けなくて良かった」。直後に「課題は?」と尋ねられ、「言うわけないだろ」とムッとしたように返した。相手はJFLを戦う流通経大2軍の控えメンバーで編成された実質3軍。その相手に苦戦したふがいなさを、痛感していたはずだ。

 攻めては大学生を崩せず、守っても高い位置からプレスをかけるどころか、球際で競り負け、DFラインが下がり、新顔中心の3本目は押し込まれ続けた。最初は細かく指示を出した岡田監督も、途中からは黙って展開を見詰めるだけ。前線で孤立したFW佐藤は「新顔も多かった。やりたいことが浸透していなかった」と指摘。初招集組のMF小川も「運動量が足りない」と反省した。

 相手の中野監督からも「大学生があれだけペースを取っているんだから、監督の戦術どうこうより、選手が何も感じ取れていないのでは。代表が心配」と気遣われる始末だった。流通経大は27日にアルゼンチン五輪代表と対戦して0-5と大敗。中野監督は「アルゼンチン戦は何もできなかったが、(日本)代表にはプレスを掛ければボールを奪えた。選手も楽しそうだった」とまで言った。

 岡田監督はロッカー室で、8月20日のウルグアイ戦に向け「海外組も五輪組も呼ばない。この合宿でオレが伝えたことを、もう1度考えてくれ」と選手に訴えた。新メンバーについて「共通意識がまだ」と戦術理解が進んでいないことも認めている。今合宿で指導し続けた(1)速い攻守の切り替え(2)高い位置でのプレス(3)サポートができるか。ウルグアイ戦が、W杯最終予選に向けた選手選考の「追試」となる。【村上幸将】