日本が悲願の単独開催を目指し、18年サッカーW杯の開催国に立候補する。日本サッカー協会の犬飼基昭会長(66)が20日、都内のホテルで行われた国際サッカー連盟(FIFA)主催のトヨタ

 クラブW杯パーティー終了後に表明した。年明けにもFIFAに正式に届け出て、本格的な招致活動をスタートさせる。18年と22年大会の開催国決定は2年後の10年12月。日韓共催の02年大会に続く2度目の日本開催に向け、日本サッカー界が動きだすことになった。

 FIFAや大会の関係者400人以上が集まったパーティー終了後、犬飼会長は明確に言った。「もちろん(W杯に)立候補しますよ」。この日のFIFA理事会で、18年と22年の開催国を同時に決めることが決定。来年1月から立候補を受け付け、24カ月後の10年12月に両大会の開催国が決まることになった。これに迅速に対応した。

 昨年10月にW杯開催国を6大陸で持ち回りにする制度が見直された。02年に開催している日本も18年の立候補が可能になり、当時の日本協会川淵キャプテンは「前向きに検討したい」と話した。ただ、16年の五輪開催地に東京が立候補し、「五輪招致を妨げる」との懸念から、表向きには招致話は進んでいなかった。しかし、この日の犬飼会長は「五輪とW杯は別」と断言。「トゥー・マッチ(多すぎる)と思われるかもしれない」と言いながらも「18年から行こうと思っている」と言った。

 「50年までのW杯開催」を目標としていた日本協会が、30年以上も前倒しを目指すのには理由がある。02年大会の招致は有利とみられていたが、最後になって韓国に追い上げられ、共催という苦しい選択を迫られた。当時の関係者の間には今でも「単独でもできた」という思いは強い。

 日本の開催実績が高く評価されているのも、犬飼会長の意を強くさせている。「安全だし、運営能力も認められている」。クラブW杯を成功に導いた日本への評価は、確かに高い。施設面など02年以上に高いハードルになってはいるが、それをクリアする自信もある。世界的な不況で、経済情勢など決していいとは言えない。しかし、犬飼会長は「だからこそ、W杯に立候補したい。スポーツががんばらなきゃだめなんだ」と話した。

 犬飼会長は「(FIFAの)ブラッター会長にも、前から話はしている」と立候補の意思を伝えていることを明かした。政府の協力など正式な立候補までには準備することも多いが「(FIFAの)小倉理事とも話を詰める」と言った。現在判明してライバルは、イングランド、オーストラリア、米国、スペインなど10カ国(オランダ、ベルギーは共催)。18年が可能性が低いとなれば、22年開催に方向転換する可能性もある。いずれにしても、10年12月の開催国決定まであと2年しかない。年明けから本格的な招致活動を開始する見込みだ。