W杯4大会連続で代表入りした日本代表GK楢崎正剛(34=名古屋)が、7日のグアテマラ戦(長居)で、14年にわたる日本代表の活動に区切りを付ける意向を持っていることが6日、分かった。今後の招集は辞退する方向で調整を進め、所属の名古屋でのプレーにすべてを注ぐことになる。

 96年の初招集から、足かけ15年も日の丸を背負ってきた守護神・楢崎が、グアテマラ戦を区切りにする意向を固めた。集大成と位置付けたW杯南アフリカ大会を終え、気持ちに変化があったようだ。W杯後はずっと「悔いはない」「思い残すことはない」などと、今後の代表活動について意味深な発言を続けてきた。日本の将来のため、後に続く若手GKに1人でも多く代表を経験してほしいという強い思いも、ずっと抱いてきた。4度目のW杯を終えた今が、そのタイミングだと判断したようだ。

 今回の代表メンバー発表時は新監督が決まっていなかった。代表が苦境に立たされていたこともあり招集に応じたが、監督代行を務める原技術委員長は5日の大阪・堺市内での練習後に「楢崎は悩んでいる」と漏らした。既に協会側に意向が伝わっている可能性が高い。

 20歳で加茂ジャパンに初招集され、98年2月のオーストラリア戦(アウェー)で国際Aマッチに初出場し、ここまで76試合を経験。抜群の安定感で同世代の川口とともに日本を支えてきた。DF中沢、闘莉王やMF本田ら後輩の信頼も厚い「兄貴分」として精神的支柱であり続けた。この日の公式練習でもマンツーマンで本田の居残りシュート練習に付き合い、終了後には2人でアクションを交え、技術の確認を行った。

 故郷関西で行われる「区切りの一戦」は、5月24日の韓国とのW杯壮行試合(埼玉)以来、国際Aマッチ8試合ぶりの先発が濃厚。センターバックには槙野、岩政両DFの起用が濃厚で連係面が課題となるが「普通に集中してやるだけ。慣れないメンバーなので、シンプルにやりたい。それだけです」と落ち着き払っていた。