なでしこジャパン沢穂希(32)の実家がある東京都府中市では、本人だけの凱旋(がいせん)パレード案が浮上した。サッカー女子W杯で初の決勝進出という快挙を受け、地元の各団体が今後数日以内に祝福の横断幕を製作。出身チーム「府ロクSC」が練習する府中第六小前の歩道橋に掲げる予定だが、この場所を起点にするパレードが行われる可能性が出てきた。沢の家族が利用する店が並ぶ学園通りを経て、新町1丁目交差点を右折。新町文化センター前信号までの約600メートルで、沢が笑顔を振りまくというプランだ。

 野口忠直・府中市長(76)はこの日、新町第2公園で行われた納涼祭りに参加。関係者に「沢選手のパレードをしないといけませんね」と話しかけたという。沢とは対談したこともあり、地元の盛り上がりを肌で感じた様子。市の協力があれば、新町1丁目交差点を左折し、府中市役所周辺までパレードを延ばす可能性もある。学園通りの商店会関係者は「こんなめでたいことは、めったにない。費用の問題もあるので、市の協力がほしい」と支援を要請した。

 問題は沢のスケジュールだ。24日にはなでしこリーグ再開初戦(対千葉)が神戸で行われ、リーグ戦の合間にも、祝賀イベントなどで多忙になることが予想される。その状況で、地元の府中へ戻れるかどうか。納涼祭りに出店した「府中六小おやじの会」の山本和男代表(42)は「もし、パレードをやるなら、関係各所に動員をかけて、沿道を人で埋めます」と心待ちにしていた。【柴田寛人】