将来のなでしこ候補となり得る人材発掘を目指す「未来のなでしこセレクション」が17日、静岡・御殿場市で行われ、“ドラゴン”の愛称で広島などで活躍した元日本代表FW久保竜彦の長女柚季(ゆうき)さんら45人が参加した。

 中学1年生の柚季さんは現在テニスプレーヤーだが、昨年までJFL金沢に所属し、現在は広島市内で所属チームを探している父とも相談して応募。「父の姿はとても格好良かった。学校で遊びでするサッカーが楽しく、またやりたいなと思いました」。小1時に当時父が所属していた横浜の下部組織でわずかにサッカー経験があるだけ。それでも「テニスとの両立は無理。どっちかを捨てなきゃいけないのは分かっているけど、それまではとにかく両方を一生懸命にやって考えたい。今回も父はうれしかったみたいです。胸張って行けと応援してくれました」。寡黙だった父とは違い、自分の言葉でしっかりと話した。

 父譲りは“日本人離れ”と形容された身体能力。この日のミニゲームでボールを追う身長160センチの姿には躍動感があり、軽やかなステップも披露した。視察に訪れたなでしこジャパン佐々木監督も「ちょっとしか見られなかったけど、やっぱり身体能力は高い。良い遺伝子を受け継いでいる」と驚いた。

 今回は小4~中2を対象に1069人の応募があった。日本協会・中村女子部長は「来年以降もやります」と、隠れた逸材発掘は継続される。【鎌田直秀】