J2横浜FCのFW三浦知良(カズ=45)が、11月のフットサルW杯(タイ)出場へ異例の直談判を受けた。日本代表のミゲル・ロドリゴ監督(42)が18日、横浜市内のクラブハウスを訪れ、カズと山口素弘監督(43)らに代表招集を要請した。その後、都内でイベントに出演したカズは、フットサルW杯について協会側に「前向きに考えています」と返事をしていたことを明かし、24日からの名古屋合宿に参加する意向も示した。

 珍しい光景だった。この日の朝、ロドリゴ代表監督、Fリーグの松崎最高執行責任者らが横浜市内のクラブハウスを訪問。約3時間にわたり、山口監督や北川社長らと会談した。カズとはあいさつを交わした程度だったが、ロドリゴ監督は4日の都内での会談でカズに代表への必要性を訴えたように、クラブ幹部にも「ブラジル、ポルトガルなど難しい相手との試合でも、リーダーシップをフルに発揮してくれる」などと熱く語ったという。

 代表監督自らが直接交渉に乗り出す異例の展開。その熱意を、カズも真摯(しんし)に受け止めた。午後のイベントで、すでに協会側にもW杯出場へ前向きな返事をしていることを初めて明かした。

 カズ

 もちろん前向きに考えています。ただ、ケガをしていてどこまでコンディションが戻るか。それさえクリアできれば協力させていただきたい。

 首から背中にかけての張りで先月29日から1週間休養し、まだ練習に復帰していないが、24日からのフットサル日本代表の名古屋合宿は参加が内定しており、リハビリを急いでいる。かつてサッカー日本代表としてW杯を目指した男は「合宿にどれだけ参加できるかも重要だと思う。参加できなければ出る権利はない」と、日の丸を背負うプライドものぞかせた。

 その一方で、フットサルという別の競技への葛藤も吐露した。

 カズ

 今回のW杯はフットサルを専門でやってる人に出る権利がある。僕は専門じゃない。そういう意味でも、自分にとって「夢」と言っていいのか戸惑いはある。それでもサッカーの一部なのは間違いないし、必要としてくれている。彼らをリスペクトしながら挑戦していきたい。

 常に真摯な姿勢を失わないカズの存在は、初の決勝トーナメント進出を目指す日本代表に大きな戦力になるはずだ。【由本裕貴】