なでしこジャパン佐々木則夫監督(54)が、16年リオデジャネイロ五輪金メダル獲得に向けて再スタートした。日本協会は1日、東京・文京区のJFAハウスで会見を行い、続投を発表。契約年数は非公表だが、上田栄治女子委員長(58)は「15年W杯、16年オリンピックで優勝を目標に」と明言。結果を見ながら契約を更新し、07年12月から続いてきた長期政権をあと4年延長することが事実上決まった。

 3カ月近く悩み続けてきた佐々木監督が、笑顔で決意した。「なでしこジャパンの監督を引き受けました。スッキリしました。次のW杯カナダ大会を目指してスタートしていきたい」と目標を明確にした。

 昨夏のW杯優勝、ロンドン五輪銀メダル。新たなチャレンジの意思を固めるまでは時間がかかった。先月末に日本協会に返答し、二者択一に絞っていた大宮側にも断りを入れた。

 佐々木監督

 五輪後にオファーをいただいて、継続して情熱を持って次のステップにかける自信がなかった。でも全国でいろんな方にお会いしながら、アドバイスをいただいたり、またやってほしいという声を少年少女からもらった。そこに自分の中に湧き出す気持ちを深く感じた。

 契約期間は非公表だが、通例ではW杯予選を兼ねた14年アジア杯開催までの2年。上田委員長は「15年W杯、16年リオ五輪の優勝。その目標を達成するために続投をお願いした」と4年間をベースにする。

 14年アジア杯上位5カ国に入れば、15年W杯出場権を獲得する。W杯直後にはリオ五輪アジア予選が始まる。佐々木監督には厳しい道のりが待ち構える。「環境、注目度は明らかに違う。W杯までしっかりやりきらなければ、新たなジャッジメントが出てくる。プレッシャーを受けながらやることにやりがいがあるのは間違いない」。

 監督としての初仕事は「4日の駒場ですね」。なでしこリーグ浦和-INAC神戸戦を視察する。年内のなでしこジャパンの活動はない。始動は来年2月の大規模合宿が有力。「アルガルベの方が相手の質が高いんじゃないかな」と3年連続でのポルトガル遠征も示唆した。「層を厚くしてメンバーを構築するのが僕の仕事」と現メンバーと若手を切磋琢磨(せっさたくま)させながら強化を図る。【鎌田直秀】