なでしこジャパンの欧州遠征を左足付け根の痛みで外れたINAC神戸MF澤穂希(34)が、なでしこリーグ杯1次リーグ仙台戦(12日)への出場が微妙になった。リーグ杯を欠場すると、今日10日に発表される東アジア杯(韓国)の代表メンバーに選出された場合は、ぶっつけ本番で大会に臨むことになる。

 澤は試合を3日後に控えた9日になっても、全体練習には合流せず、別メニューでの調整を続けた。6月にロンドン五輪以来の代表復帰を果たしたが、同20日のニュージーランド戦(鳥栖)で左足付け根の痛みを感じ、欧州遠征から外れた。今月1日からチームの練習に合流したものの、ランニングやストレッチを行うにとどめていた。

 一方で、この日からはランニングのスピードを上げ、DF近賀ゆかりと1対1で練習を行うなど、トレーニングのレベルアップを図った。前日まではプレー要素の入ったメニューはこなしていなかっただけに、回復へ前進したともいえる。

 石原孝尚監督は「順調です。仙台戦に間に合わなくてもしっかりコンディションを整えていけばと思う」。山田晃広チーフトレーナーは「仙台戦に間に合わせることが目的ではないので。あくまで良い状態に持っていくことを大切に、無理をさせない」と、焦点を合わせるのはリーグ杯ではないとした。

 なでしこジャパンは08年と10年の東アジア杯で優勝。なでしこジャパンが初めて獲得した国際タイトルで、澤も連覇に貢献した。なでしこジャパン佐々木則夫監督は欧州遠征からの帰国時に「仮定の状態でメンバーとして発表して12日のINACの試合でダメなら代えることもできる」と澤の再招集をほのめかしている。石原監督も「20日の中国戦にはいけると思う」と前向きだった。しかし12日のリーグ杯を欠場すれば、代表選出の場合も東アジア杯初戦が1カ月ぶりの実戦。試合勘のない状態での出場が不安要素となる。【辻敦子】