<U-17女子W杯:日本2-0スペイン>◇決勝◇4日(日本時間5日)◇コスタリカ・サンホセ

 日本の女性監督として初めて“W杯”で世界一に導いた高倉麻子監督(45)。その素顔は、まさにサッカー漬けの毎日だ。読売ベレーザ(現日テレ)監督や柏GMなどを務めた夫の竹本一彦氏(58)は「夫婦そろってS級ライセンスを持っていますからね。そりゃ日常的にサッカーの話になりますよ」と明かす。

 休日には近所の図書館で小説やスポーツ関係の本を読みあさるほどの読書家。オフの日にはショッピングや映画観賞もするが、一番のリフレッシュはやはりサッカーだ。「週に1度、ママさんサッカーの指導も行っているんです。もう9年ぐらい。情熱を持つお母さんたちとやるのが楽しいみたいです」(竹本氏)。サッカーが大好きなところは、少女時代と変わらない。

 明るい性格で愚痴はこぼさない。女性監督として初の試みにも「世界一にしちゃおうぜ!」と楽しそうに話していたという。そのおおらかな心は、若い選手たちにとって母親のような存在なのだろう。ゴールを決めたFW児野が真っ先に抱きつく姿が、その信頼関係を物語っていた。

 今後はサッカースクールの開催も計画している同監督。歴史に名を刻んだ先駆者は、これからも女子サッカー界を先導し続ける。【桑原亮】

 ◆高倉麻子(たかくら・あさこ)1968年(昭43)4月19日、福島市生まれ。小学時からサッカーを始め、和光大卒業後、読売ベレーザ(現日テレ・ベレーザ)に入団。第1回、91年のW杯に日本代表として出場。引退後は普及に努め、13年にU-16日本代表監督に就任。