なでしこジャパンの日テレMF阪口夢穂(27)が、本職とは違うFWで勝利に導いた。右足首捻挫の影響で先発を外れたが、最前線で途中出場。1-1の後半27分、CKを頭で折り返しFW田中美南(21)の決勝ゴールを演出した。無敗のINAC神戸に初黒星をつけるだけでなく、勝ち点1差の2位に浮上。視察したなでしこジャパン佐々木則夫監督(56)も存在感を絶賛した。

 6月開幕の女子W杯カナダ大会でも「FW阪口」の切り札が生きるかもしれない。阪口はCKをゴール前で頭で競り勝つと、こぼれ球を蹴り込んだFW田中を抱きしめてたたえた。スタンドで見つめた佐々木監督も「(元G大阪FW)エムボマが途中から入ってきたようだった。オレも前からやっているからな。ありだな」。昨秋の仁川アジア大会でも試した一手を、本番でも使う可能性を示した。

 前節2日の仙台戦の相手ラフプレーで、右足首を人生で初めて捻挫し、先発を外れた。後半8分に途中出場すると、いきなりノールックパスを通すなど会場を沸かせた。阪口は「ボランチであんなことをしたら怒られる。楽しかった。ヘディングが持ち味なので、勝ててよかった。代表でやるイメージはないですけどね」と笑顔。「足首は、もう大丈夫です」と攻守でなでしこに貢献する準備は万全だ。