J2札幌は、北九州に引き分けた。前半41分にMF宮沢裕樹(25)の得点で先制も、後半31分、DF陣のミスから失点し、追いつかれた。6月4戦で3ドロー。先制しながら追いつかれたのは、6日千葉戦に続き、今季4度目となった。ホームでは5月3日磐田戦(札幌ドーム)を最後に3試合、勝ちがない。勝ち点は32で、順位を5位に落とした。

 手堅い試合運びが武器だったはずの札幌も、ミスをすれば、ほころびは生じる。1-0リードの後半31分、左サイドでDF福森がボールを奪われ、クロスを入れられると、ゴール前ではDF櫛引が対応を誤った。FW渡との競り合いが中途半端になり、背中に当てたボールを相手に拾われ、そのままゴールに流し込まれた。

 「押し込まれている時間帯だったし、しっかりキープするとか考えるべきだった」と福森。櫛引は「先に触ろうか迷って、こぼれ球を打たれてしまった。個人の問題」と反省した。決定的な危機は、ほぼこの1回だけ。悔やまれる2つのミスに、バルバリッチ監督は低い声で「あのような形の失点を繰り返している。修正が必要」と課題に挙げた。

 6月はこれで4戦3分け。先制逃げ切りは勝負の常道も、1点リードは危険をともなう。今季8勝すべて先制点を挙げているが、1-0で逃げ切ったのは3回だけ。4月29日金沢戦は先制の10分後に、6月6日千葉戦は終了間際のセットプレーで追いつかれた。MF稲本は「回すことで満足してはいけない。もう少し厚みある攻撃や、仕掛けていくことも必要」と、先制後、貪欲にたたみ掛ける力の必要性を口にした。

 11年12月3日最終戦以来1296日ぶりの3位浮上のチャンスをフイにした。上位は混戦。勝てる試合で確実に勝ち点3を取らなければ、すぐに蹴落とされる。痛いドローを糧に、シビアに白星をむしり取れる勝負強さを身につけていく。【永野高輔】