年間最下位の山形は、20日の敵地柏戦を皮切りに中2日で続く23日の敵地松本戦、26日のホーム仙台戦のシルバーウイーク3連戦で3連勝を狙う。MFロメロ・フランク(28)が攻守両面に飛び出し、FWディエゴ(31)との南米ホットラインでまず柏をたたいて、得意の中2日の松本、仙台戦に弾みをつける。

 プレスが勝利のカギを握る。天童市内でフォーメーション練習を行った16日、フランクは柏戦に向けて意気込んだ。「3トップで前からプレッシャーをかけていくのは変わりない。前からはめていく」。3-0で完勝した5月10日の第1ステージ第11節では、細かくつないでくる柏相手に、ハイプレスで押し込んでパスを寸断。CKを直接合わせたフランクの先制点を皮切りに、ディエゴも2点決めて圧倒した。

 ペルーとブラジルの「南米ホットライン」で理想型をつくった。前節12日の広島戦の先制点はカウンターから生まれた。プレスでボールを奪って中央突破したフランクがディエゴにパスを出し、冷静に左足で流し込んで15試合ぶりに先制点を引き出した。「自分とディエゴが連係した。あの形はいつも狙ってた」。前線2人でキープできている分、2列目から積極的に飛び出すことでチャンスは拡大する。プレスからの押し上げで柏を封殺して、中2日の敵地松本戦に乗り込む。

 連戦は望むところだ。今季山形は公式戦全34試合で7勝しているが、中1週間の天皇杯での2勝を除く5勝は中3日以内で挙げている。午後練と若手の指名練習で選手をいじめ抜いている石崎信弘監督(57)は「練習がキツイからじゃろ」と分析した。中2日だと練習が軽減される分、選手の動きも結果的に軽くなる。フランクも「試合間隔が短い方がいい。普段から鍛えているから連戦は得意」と自信を見せた。

 広島戦前に天皇杯で2勝したが、チームは上昇気流に乗れなかった。フランクは言い放った。「首位の広島相手にも高い位置でボールを奪ってできた。そういうゲームはできている。まず柏で勝ち点3をとりたいね」。中2日の3連戦。剣が峰の戦いを制して、J1残留の道を切り開く。【高橋洋平】