年間最下位の山形が、同16位の松本相手に引き分けた。1-1の後半38分、MFキム・ボムヨン(25)がペナルティーエリア外からの好ミドルを決めて勝ち越したが、3分後に追いつかれた。残り6試合で残留圏の15位甲府との勝ち点差は9。残留からまた1歩遠のいた。中2日で迎える26日のみちのくダービー(ホーム仙台戦)に弾みをつけられなかった。

 つかみかけた勝ち点3を逃し、ボムヨンの勝ち越しミドルが水の泡となった。2-1とリードした3分後の後半41分。相手DF田中からのクロスを受けたMF前田に左足で沈められた。5月10日柏戦以来、136日ぶりのリーグ戦勝利が一転、17戦連続未勝利に。降格圏脱出には絶対倒さなければならない相手に、課題の詰めの甘さを露呈した。石崎信弘監督(57)は「大切なゲームを落としてしまった。1点リードした場面で粘りが足りなかった」と振り返った。

 12日の広島戦に続き、得点後5分以内の失点で勝ち試合を落とした。DF渡辺は「2点目をとってハイになってしまった。前掛かりになっているところをやられた。自分たちで迷路に入ってしまっている」と話した。前半松本に先制を許し押し込まれたが、FWディエゴの同点PK後にシステムを変更。MFフランクをボランチの位置に下げて、セカンドボールを拾うことで後半はチャンスをつくっていただけに悔やまれる。

 15位甲府との勝ち点差は9。厳しい数字と言わざるを得ない。石崎監督は「あと6試合。気持ちを切り替えて次に臨む」と言うしかなかった。【高橋洋平】