ホームのJ2清水が0-0で松本と引き分け、開幕から3試合連続無失点をマークした。負傷欠場したDF犬飼智也(22)の代役としてDFビョン・ジュンボン(25)がJリーグ初出場。昨季2戦2敗の難敵に対して“急造DFライン”で臨みながらも、決定機を作らせなかった。J1時代の06年以来、実に10年ぶりとなる連続完封劇となった。一方、攻撃陣はチャンスをつくりながらもホームで2試合連続無得点と課題を残した。

 急造のDFラインでも、清水は安定していた。前半序盤から連動した積極的なプレスをかけ、ボールを奪うシーンを多く演出。敵陣でボールを失った瞬間も人数をかけてカウンターを仕掛ける。被シュート数は3本。相手を寄せ付けずに完封した。前日練習で左もも裏を負傷したDF犬飼の代役を務めたDFビョンは「みんなで声を掛け合いながらうまくできた」と自信を深めた様子だった。

 今季から新加入のビョンにとってJデビュー戦だった。センターバックのDF三浦弦太(21)とは練習でもコンビを組んだことがなかったが、意思疎通に問題なし。選手が変わっても、動じないベースがある。小林伸二監督(55)も「守備はいい形で進んできている」と手応え。開幕から3試合連続無失点は06年以来、10年ぶり。昨季J1でリーグワーストの65失点を喫した守備は安定しつつある。

 GK西部洋平(35)も「開幕前に想定していた以上にやれている」と振り返った。普段の練習で行う8対8などの実戦形式はコートを狭くすることで球際で勝負する局面が増えた。同じメニューを反復することで自然と守備の意識も高くなってきた。ビョンは「これから他の選手と呼吸を合わせていけば、もっとよくなる」と誇示した。1年でのJ1復帰を目指す清水に「負けない力」がついてきた。【神谷亮磨】