新サッカースタジアムの建設を要望している広島の久保允誉会長が13日、広島市内で記者会見し「利便性や高齢化社会を想定すれば、市中心部にあった方がいい」と、あらためて「旧広島市民球場跡地」(中区)に建設したい考えを示した。

 県や市は港湾部の「広島みなと公園」(南区)を軸に検討している。

 クラブが発表した独自案では収容人数が約2万5000人で、整備費を140億円と試算している。完成した施設を市に寄贈する意向を明らかにした久保会長は「公益にかなうスタジアムをつくるために独自案を発表せざるを得なかった」と強調。主張が平行線をたどっている湯崎英彦県知事や、松井一実市長らとのトップ会談を求めた。

 1994年広島アジア大会のメインスタジアムだった現在の本拠地「エディオンスタジアム広島」(安佐南区)は市中心部から約10キロ離れ、トイレ数や屋根のカバー率でJリーグの求める基準に達していない。新球場は喫緊の課題で、久保会長は「主たる利用者であるわれわれの意見を取り入れてほしい」と訴えた。

 湯崎知事は同日「発表された図面には根拠や前提の数値が一切ない。詳細をいただければ検討し、会談も早期にできると思う」と述べた。