今季ホーム初勝利をもたらす劇的弾にスタジアムが揺れた。0-0の後半36分だ。福岡FW城後はセンターサークル付近から右サイドにパスを出すと、ゴール前に猛ダッシュ。仲間がつないだボールが混戦の中から足元に届くと、倒れ込みながら右足で押し込んだ。「自分らしい。勝ち点3以上の価値がある」。この決勝点の前にはGKと1対1を生かせず「あのまま終われなかった」と意地を込めた。福岡ひと筋12年目、2度のJ2降格を知る主将が、11年9月25日の広島戦以来となるレベスタでのJ1勝利を運んだ。

 前節仙台戦で今季初の連敗を喫し、井原監督は「ふがいない試合で借りを返したかった」という。湘南との“裏天王山”を制して最下位こそ脱したものの、降格圏の17位。ようやく今季2勝目だけに、指揮官は「ここからが大事。いい準備をし、少しでも勝ち点を増やしていきたい」と前を向いた。【菊川光一】