新潟が2-1で柏を下した。1-1の後半27分、MF小塚和季(21)のJ1公式戦初得点で勝ち越し、そのまま逃げ切った。新潟は勝ち点6となり、1次リーグのグループ2位以上が進む、決勝トーナメントへの可能性を残した。

 鮮やかなボレーシュートでMF小塚がネットを揺らした。後半27分、ペナルティーエリア内に入ったFW平松宗(23)が折り返したボールをダイレクトでたたきこんだ。

 その瞬間、目の前に陣取ったゴール裏の新潟サポーター、そして自軍ベンチが沸き返る。小塚はチームメートがつくった歓喜の輪の中で喜びに浸った。

 プロ入り4年目、これがJ1公式戦初得点。昨季まで山口に1年半期限付き移籍し、今季復帰。後半10分にMF伊藤優汰(23)のゴールで先制したが、同21分に追いつかれた。その6分後、武者修行の成果を見せた。

 決して満足できる状況ではなかった。この試合がリーグ戦第7節広島戦以来の公式戦出場。リーグ戦ではその後、ベンチからも外れていた。

 ただ、練習から集中力は落としていなかった。全体練習後の自主トレでは、相手を見つけては、パス、シュートの精度を上げてきた。そんな努力が大事な一戦で形になった。

 この日の新潟は前戦のリーグ戦浦和戦(14日)から、FW平松を除いて10人スタメンを入れ替えた。DF西村竜馬(22)、FWカリウ(20)、そして新潟U-18所属の2種登録選手、DF長谷川巧(17)はJ1公式戦は初出場だ。

 試合前は1次リーグBグルーブの順位は勝ち点3で6位。負ければ決勝トーナメント進出が厳しくなる厳しい状況。「そういうことは考えず、まず全力を出すこと」。MF成岡翔(31)が言うように、まず目の前の一戦に集中した。

 勝ち点3を挙げたことで、自力での決勝トーナメント進出の可能性が残った。なにより、控えメンバーが見せた意地はチーム力が上積みされている証しでもあった。【斎藤慎一郎】