新潟のブラジル人FWカリウ(20)がリーグ戦デビューと、来日初得点を狙う。新潟は10日、第2ステージ(S)第8節甲府戦(13日・山梨中銀スタジアム)に向けた練習を聖籠町のクラブハウス練習場で行った。

 威力のあるミドルシュートに打点の高いヘディング。シュート練習でカリウが放ったボールがネットを揺らすたびに、チームメートから称賛の声が起きた。

 「チャンスだと感じている」とカリウは甲府戦への意欲を口にする。FWラファエル・シルバ(24)が累積警告で甲府戦は出場停止。ベンチ枠が1つ空く。今季初来日したカリウのリーグ戦デビューの可能性が高まった。

 前節神戸戦(1-0の勝利)では、負傷したDF舞行龍ジェームズ(27)の代わりにDF西村竜馬(23)が出場。リーグ戦デビューを果たすとともに、無失点に貢献した。吉田達磨監督(42)は、それを引き合いに「新しい力が出てきてほしい。その候補の中に、カリウは十分に入っている」と話す。

 ナビスコ杯第5節柏戦(5月18日)で、来日後公式戦初出場。それから約3カ月、カリウは「フィニッシュの精度が上がった」と手応えを感じている。ブラジルではあまり行っていなかったシュート練習を重ねることで、得点を奪うこだわりが強くなった。左右どちらの足でも決める起用さも身についた。

 西村からも刺激を受けた。西村はブラジル・GEマウアエンセへ期限付き移籍していた経験があり、普段からお互いに母国語も教え合う仲。オフの日はよく一緒に食事に出かける。「竜馬のプレーは素晴らしかった。甲府戦に出たら得点して、彼のデビューを祝いたい」。そのゴールはチームの勝利と自身の存在感を示すことにもつながる。【斎藤慎一郎】