新潟は今季最多タイの3得点を挙げ、3-0で福岡を破り、2試合ぶり勝利を飾った。後半10分、MFラファエル・シルバ(24)が2試合ぶりのゴールをヘディングで決めると、ラファエルは今季8得点目で、シーズンの自己最多得点を更新した。MFレオ・シルバ(30)が後半35分にPK、同ロスタイムにダメ押しのミドルを決めて突き放した。

 重苦しい雰囲気をMFラファエル・シルバが一変させた。後半10分、ペナルティーエリア右外でFW山崎亮平(27)がボールを保持してクロスを上げる。ラファエル・シルバはそこに合わせて中央に走り込み、ヘディング。ボールはゴールマウスの左隅に突き刺さった。

 「調子はいい。コンディション上がってくると、得点できる」。ラファエル・シルバが試合前に見せた自信は本物だった。前節甲府戦は累積警告で出場停止。その試合、新潟は0-1で敗れた。守備を固めた相手を攻略できなかった。この日の福岡も守備的だったが、その壁を崩したのがラファエル・シルバだった。

 前半からゴール前でボールを持つと、果敢に仕掛けた。中盤からのパスに合わせて、相手守備の裏をとり続けた。じわじわと相手に与えた脅威は自身の今季8得点目になって表れた。昨季の自己記録7得点を更新。そしてチームに勝ち点3をもたらした。

 新潟にとっても大きな白星だ。年間順位は勝ち点24で14位。前節に敗れたことで、同15位甲府との勝ち点差は1に縮まっていた。同18位の福岡に敗れることは残留争いに巻き込まれることになる。

 「危機感は選手も持っている。やることを整理して臨むだけ」。吉田達磨監督(42)は新潟のサッカーを貫くことを強調した。後半35分にMFレオ・シルバ(30)がPK、そしてロスタイムにも決めて2得点。終盤に突き放しての粘り勝ちにその一端は見えていた。

 リオ五輪帰りのMF野津田岳人(22)がスタメン、FW鈴木武蔵(22)が後半途中出場と役者もそろった。新潟の夏の反攻が始まる。【斎藤慎一郎】