原点回帰で勝利をつかむ。仙台は明日10日、ホームで横浜と対戦する。大量失点で敗れた3日の天皇杯盛岡戦から、選手たちは気持ちを切り替えて臨む。守備陣を統率するセンターバック(CB)の渡部博文(29)は「原点に返る必要がある」と真っすぐ前を見つめた。

 「これ以上ない屈辱」(渡辺監督)から5日たった。土砂降りの中で行われた8日のチームトレーニングには、緊張感が漂っていた。引き締まった表情で紅白戦に臨んだ渡部は、大声で守備ラインのコントロールを行うなど精力的に動き、周囲との確認作業を繰り返した。

 極秘メモを作って敵を調べ尽くす頭脳派DF。「僕の分析では(最近の試合で)カウンターからの失点と、自分たちの組むブロックが崩されていることが(敗戦の要因として)挙げられる」と解析。だが「まずは球際、切り替え、走力の3要素という原点に戻る必要がある」とベーステーマを意識し直したいと語った。横浜とは今季3度目の対戦。「FW斎藤学のドリブル、FWカイケのシュート、MFマルティノスのカウンター時のスプリントは気を付けるべき」と要注意人物は調査済み。「敵の特長を把握し目の前の相手をつぶすだけ」と言い切った。

 CBでコンビを組むDF平岡康裕(30)も約1カ月ぶりにリーグ戦に先発復帰する。「ひらさん(平岡)と連係を取り、もう1度堅い守備を取り戻したい」。今季開幕戦での快勝劇を、ホームでも見せたいところだ。【成田光季】