川崎Fが第2ステージ首位から陥落した。エースFW大久保嘉人(34)が前半36分、大宮MF横谷に突き飛ばされた報復行為で一発退場となり、10人で戦う苦境に立たされた。数的不利にも2得点を挙げ、一時は逆転したが、激しい体力の消耗がたたり、残り6分で2失点し力尽きた。両チーム合わせ7枚のカードが出る、荒れた試合は終了後も横谷が、MFエドゥアルド・ネットへのファウルに激高したことを発端に小競り合いになり、一触即発状態に。遺恨が残る結末となった。

 勝てばチャンピオンシップ進出が決まる一戦。エースが相手の“挑発”に乗り試合を壊してしまった。大久保はノーコメントで会場を後にしたが、主将のMF中村は「嘉人の(警告)は報復しているので退場」と主審のジャッジを受け入れ「1人減るのがどれだけのことか、嘉人は分かっていると思う。あれほどの選手なので、自覚してもらわなければ困る。冷静にやらないと」とあえて厳しい言葉を発した。大久保の一発退場は川崎Fでは初。それだけに「今日に限って(挑発に)乗ってしまったのが不思議」と首をかしげた。風間監督も「こういう大事な試合では冷静にサッカーを受け止めないと」と指摘した。

 10人でも敵守備陣を崩した攻撃力に手応えを感じる一方で、中村は「勝ち点0で何も残っていない」と悔しさを口にする。25日の次節横浜戦は大久保、エドゥアルド・ネットが累積警告で出場停止。年間勝ち点1位はキープも、2位の浦和に2差に迫られた。悲願の初タイトルへ、大きな試練が立ちはだかる。