札幌が、07年以来9年ぶりのJ2リーグ優勝と、11年以来5年ぶりのJ1昇格を決めた。20日、最終金沢戦(札幌ドーム)で0-0で引き分け、5月15日からの首位を守った。

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 サポーターには1年間、最後の最後まで一緒に戦ってくれて、いいときも悪いときも目標のために後押ししてくれて感謝しています。二人三脚でいい関係でこられたし、さらに一体感を感じたシーズンでした。

 14年に札幌に来て、石の上にも3年じゃないですけど、こういうタイミングでここにいられるのは、本当にありがたいことだと思います。自分がJ1に導いたとかじゃなくて、みんなの力の総和。僕はその一員になれた。今、札幌に所属できたことを、本当に良かったと思っています。

 今までのキャリアで、中心となって、チームの目標を成し遂げた経験がありませんでした。J1松本からオファーがあった1年目のオフに、野々村社長に言われたんです。「来年は(当時)29歳になるんだから、自分が中心になって何かを成し遂げる経験ができる最後だよ。そういうのは出来そうで誰もができるものじゃない。今の都倉なら、その可能性がある」。その話を聞いて、個人的にJ1に行くという目標を蹴ってでも、札幌でやることの可能性を感じてました。

 ゴールが取れなくて勝てないのは本当に悔しい。なんのために俺はいるんだろうって存在意義を考えてしまうこともありました。時には一生、このままゴールが取れない可能性だってあるのかなとか不安になったりもしました。でも昔は不安を抱えたり、緊張した自分は弱いんだと思っちゃっていて、そういう弱い自分が嫌だって逃げていたんです。今は弱さを受け入れて、じゃあどうしたらいいんだろうと向き合えるようになったんです。

 1つのきっかけは札幌に来る直前に、背水の陣でデンマークに行ったことかな。後ろ盾なくポンといって、何も怖い事なんてないなという気持ちになってました。今まではサッカーでは横浜のジュニアユースに入ったりとか、学校もずっと慶応でエスカレーターで行かせてもらったり。自分で選択しているようで、細かなレールは決まっていた中、初めて完全ビジターに飛び込んだ経験でした。普通の人ならあることなのかもしれないけど。僕にはそれが刺激的で、意識が変わったのかなと思います。

 J1に上がったら個人的には、まずは2ケタゴール、チームとしては残留。残留するチームは最低1人は2ケタは取っていますし。まだまだ足りない部分は多いけど、積み重ねてきた物をチームとして出していきたいです。来年、楽しみです。めっちゃ楽しみです。(コンサドーレ札幌・FW都倉賢)