J2札幌のMF小野伸二(37)が、来季の目標に「札幌ドーム初ゴール」を掲げた。29日、札幌・宮の沢のクラブ事務所で契約を更改。「札幌ドームで、まだ点を取っていないので、J1の舞台で取れたら」と移籍4年目の来季へ向け意気込んだ。同じく来季残留で基本合意しているMF稲本潤一(37)も、1回目の契約更改交渉に臨み、気持ちを新たにした。

 清水時代の12年以来、自身5年ぶりに挑む国内トップレベルの争いに、今からわくわく感が抑えきれない。契約更改交渉と面談を終えた小野は「来シーズンもお世話になることになりました。来年は、もっと試合に関係して欲しいとクラブ側から言われた」。残留を決め「同じ世代の選手たちと、もう1度J1の舞台で戦って、良いパフォーマンスをしたい」と意欲を口にした。

 14年に札幌に移籍して以降、つねにケガとの戦いだった。今季も股関節痛に悩まされ、出場は15試合。クラブから契約延長のオファーを受けても「足の状態が良くならなかったら、J1へ行ってもうまくいかないのではとか、いろいろ考えた」と悩んだ。優勝と昇格が決まった20日の最終戦では、後半、途中出場の準備をしていながら、交代の機会なく試合終了。かつて世界を股にかけて活躍した天才は「まだまだ自分の持っているものを出し切れていない」。もどかしい思いの全てを、来季にぶつける。

 明確な目標がある。「札幌ドームで、まだ点を取っていないので、J1の舞台で取れたら」。札幌で3シーズンを終えて、得点は昨季の2点だけ。そのうちホームで挙げた1点は、札幌厚別公園競技場で記録したもので、札幌ドームのゴールには縁がなかった。

 シーズン終了後、稲本とともに別メニューで調整を続けてきたが、今日30日で練習も一区切り。「昇格を喜ぶだけじゃなく、来年の結果につなげたい」。最高のパフォーマンスで、J1に舞台を移すチームの力になる。【中島宙恵】

 ◆小野、稲本の同時出場 稲本がJ2札幌に移籍した15年の8月15日岡山戦でともに途中出場し、日本代表での06年6月4日の国際親善試合(マルタ戦)以来の同チームでの同時出場。クラブでは初だった。札幌での同時先発出場は15年9月5日の天皇杯2回戦(横浜FC戦)で初めて実現した。今季はリーグ開幕戦の2月28日東京V戦で同時先発して以来、同時出場はなかった。