ベガルタ仙台の新加入FW平山相太(31)が、25日の開幕戦(ホーム北海道コンサドーレ札幌戦)出場に向けて闘志を燃やした。クラブはキャンプ最終日の22日、11対11のミニゲームを行い、平山は主力組に入ってFW石原直樹(32)と交互に1トップでプレー。序盤に臀部(でんぶ)違和感で離脱したが、終盤には主力組に復帰。「結果につなげられるように」と開幕を見据えた。

 移籍1年目のキャンプを終えた平山は「長くもあるし、短くもあった」と笑みを浮かべた。浮き沈みのあった濃い36日間を、振り返った。

 仙台の「走るサッカー」に戸惑いながらのスタートだった。1月25日、初となる対外試合では連係面に課題を残した。フィジカルトレーニング中心だった鹿児島キャンプを経て、1月28日に臀部(でんぶ)の違和感で離脱。4日の大宮戦から実戦復帰するも、若手中心の組に入った。主力組に入ったのは、16日以降。非公開試合をのぞく練習試合3戦で無得点に終わった。その間、FW石原が1トップの有力候補の地位を固めていた。

 それでも「充実のキャンプだった」と言えるのは、選手に自らの狙いを的確に伝えられたから。序盤、「昔みたいに何でもするというよりは、ゴールから逆算してポジショニングを考える」と、長身を生かしたゴールを狙い続ける決意を語っていた。キャンプ期間で「セットプレーのターゲットになりたい」と、選手に伝えてきた。

 渡辺晋監督(43)も、平山の意気込みを後押しした。「目印になると思う。相太を目指そうとする動きを他の選手はやった方がいいかな」と、選手に指示した。選手も平山を目がけて、サイドや最終ラインからクロスを上げた。1トップ競争はまだ続くが、長身FWの誕生によりパワープレーは生まれやすくなる。指揮官は、苦しい時間帯での活躍を心待ちにしている。

 開幕戦出場は譲れない。昨季までJ2の札幌について、平山は「負けないサッカーをしている感じだった」と語った。連係面も深まってキャンプを終えた。「開幕が楽しみ。ワクワクしている。チームが勝てるように」と意気込んだ。【秋吉裕介】