米MLSのバンクーバーから新加入のサンフレッチェ広島の元日本代表FW工藤壮人(26)が開幕4戦4発の決定力を見せた。ホームのアルビレックス新潟戦は1-1のドロー。工藤は柏レイソル時代に出場した開幕戦(13~15年)でも得点しており、出場した開幕戦のゴール率は100%という、まさに“開幕男”だ。

 0-0の後半12分、広島はCKからDF水本がヘディングシュート。GKがはじいた球を工藤は逃さず、右足で浮かせて決めた。「前半はうまくいかなかった。後半はワンチャンスだったけど、早くゴールを決めて喜びたい気持ちが強くて決められて良かった」。開幕4戦4発には「既に来年のプレッシャーになる」といたずらっぽく笑った。

 昨年の得点王ピーター・ウタカとの契約は開幕に間に合わず、J1通算161得点の佐藤はJ2名古屋に移籍した。MF柴崎ら故障者も多い。不安材料が先行しただけに、森保監督は「なかなかタテにボールは入らなかったが、その中でも点取り屋としての嗅覚の部分を出してくれた」と、J1通算57点目を記録した工藤の活躍に安堵(あんど)の表情だ。

 昨年は年間6位に終わった。過去5年で3度優勝の森保監督は、2年ぶりの王座奪回へ「勝ち点3が取れなくて残念」。工藤も「2点、3点取れていれば、新潟の心を折ることができた。合宿でできたことがあまり試合でできなかった」と反省した。新戦力の台頭が始まった広島は、頂点へとギアを上げていく。【小杉舞】

 ◆工藤壮人(くどう・まさと)1990年(平2)5月6日、東京都生まれ。小学生時代から柏の下部組織で育ち、09年トップ昇格。16年に米MLSバンクーバー移籍、今季から広島に加入。J1通算163試合57得点。国際Aマッチ通算4試合2得点。177センチ、74キロ。