北海道コンサドーレ札幌MF深井一希(21)が、“特別な日”に向けて気合を入れた。チームは8日、雪が舞う中、ゲーム形式に近い11対11の紅白戦やポジション別の守備練習などを行った。今季プロ5年目にして初の開幕先発出場を果たした深井にとって、セレッソ大阪とのホーム開幕戦(札幌ドーム)の11日は、自身の誕生日、6年前の東日本大震災の日。その3つが重なった特別な日を心待ちにする。

 東日本大震災から丸6年がたつ。当時、深井は高校生で、U-18に所属していた。直接的な被害にあったわけではないが、自身の誕生日に起きてしまった、誰もが忘れない日になった。「多くの犠牲者が出て、誕生日どころじゃない。僕はサッカーしかできないが、いろんな人に元気を与えられたら」と話した。

 今季は開幕から2戦連続先発出場と自身にとって最高のスタートを切った。過去4年は両膝の負傷を繰り返していた。「今まで開幕から出ることも出来なかったので、そういう意味では調子もよく痛みもない。90分、問題なくやれているので、これを続けていくともっと体のキレが出て、J1のスピードに慣れてくると思う」と自信を深めている。

 チームは開幕2連敗を喫したが、2試合とも前半は無失点に抑え互角に戦っている。「先制されると難しい展開だが、やっている内容としてはチャンスもある」と前向きだ。「(誕生日は)あまり気にしていないが、出場できれば勝って終わりたい」。3・11。自らの誕生日を祝い、東北の人たちにささげる今季初勝利を目指す。【山崎賢人】