ヴィッセル神戸がJ1ではクラブ史上初、唯一の開幕3連勝で首位に立った。

 特別な雰囲気のなか、神戸は冷静に自分たちのサッカーを貫いた。ネルシーニョ監督の打った手がずばりと当たる。後半から新加入のMFウエスクレイを投入。すると1分に敵陣右で体を張って起点となり、大森の先制点につながった。5分後も倒れながら出したパスが、最後は追加点に結びついた。

 就任3年目の指揮官は「ウエスクレイを入れたことで、前でボールを保持して攻撃できるようになった」と満足げだった。2点目のMF藤田は「昨年の今ごろよりもみんなの戦術の理解度が上がっている。3試合とも難しい試合をものにできた」と、開幕3連勝に手応えを示した。

 ともに被災地を本拠にするチーム同士。ネルシーニョ監督は「悲しみを生む戦いではなく、人の力になれる試合が両チームともできたと思う」と話した。昨年まで仙台に在籍していたDF渡部は「いろんな感情がありました。普通にサッカーできることに感謝しながらプレーしました」と、選手たちの思いを代弁した。

 ▼神戸が首位 2ステージ制だった15年と16年の第2ステージ開幕節でステージ首位に立ったことはあるが、そのときの年間順位は15年が11位、16年が9位だった。今回のようにJ1で年間首位は、1シーズン制だった14年の第8節(4月19、20日)以来3季ぶり。それ以前も12年の開幕節で総得点の差で首位に立ったことが1回あるだけ。