今季のプレナスなでしこリーグ1部が今日26日に開幕する。新潟レディース(L)はホーム(新潟市陸上競技場)で伊賀を迎え撃つ。昨季はリーグ5位ながら、皇后杯で2年連続の準優勝(4度目)に輝いた。タイトル獲得に肉薄しているチームは今季、本腰を入れてリーグ戦、カップ戦、皇后杯のいずれかで初の頂点を狙う。なでしこジャパンのDF中村楓主将(25)は「今年こそ、しっかりつかむ」と開幕戦を前にして意気込んだ。

 誰もが緊張で心臓を高鳴らせるリーグ開幕戦。ところが、新潟L中村の心は穏やかだった。ピンチの芽を冷静につみ取るセンターバックは「サッカーでは緊張しないタイプ」と言い切った。もちろん内面は熱く、強い。「毎試合、無失点に抑える、という目標でプレーしている」。伊賀との開幕戦は、過去5年で4度対戦し2勝1敗1分け。勝利でスタートダッシュするには絶好の相手だ。

 中村は今月、国際Aマッチでデビューした。アルガルべ杯(1~8日=ポルトガル)のアイスランド戦(結果は2-0)で代表初出場を果たすと、ノルウェー戦(同2-0)、オランダ戦(同2-3)で3試合にフル出場した。「日本で経験できないフィジカルの強さ、スピードを体験できたのはプラスになった」。1対1に強く、カバリングに優れたDFだが「一瞬のスピード対する判断など、課題ができた」と新たなテーマを見つけて帰国した。

 昨季は皇后杯で準優勝。2年連続4度目の銀メダルで、タイトルに手が届きそうな位置までチームは熟成する。DF陣が連動して守り、攻撃陣がパスサッカーで崩していくのがお家芸。今季は新潟Lスタイルを、さらに磨いて頂点を狙う。「サッカーは、楽しむことを大事にしている」という中村は、「見ている人にも楽しんでもらいたい」とサポーターに勝利を約束した。【涌井幹雄】

 ◆中村楓(なかむら・かえで)1991年(平3)8月3日生まれ、岩手県出身。常盤木学園(宮城)から10年に新潟L入り。ポジションはセンターバック。昨季のリーグ戦は全18試合に出場(先発フル出場は16試合)して1得点。165センチ、56キロ。血液型O。