2位川崎フロンターレと首位鹿島アントラーズの勝ち点差が2に縮まった。川崎Fは敵地でサンフレッチェ広島に3-0で完勝。主力のMFエドゥアルド・ネットとMF家長を出場停止で欠く中、約半年ぶりにボランチに入ったDF谷口彰悟(26)が先制点を決めるなど2得点に絡んだ。鹿島は前半14分までに2失点し、横浜F・マリノスに2-3で敗れた。残り4節。優勝争いは今季も最終節(12月2日)までもつれるのか。

 DF谷口が先制点で勝利を呼び込んだ。前半40分、MF中村のFKをGKがファンブルし、ゴール前に詰めていた谷口が右足で押し込んだ。今季7得点目。得点の大半をアシストしてもらっているMF中村(6得点)を超え「超しちゃったんですよね。そこだけは避けたかった。もうCKを(蹴って)くれなくなるかな」と恐縮。「憲剛さん(中村)のボールがいいから得点を決められるんです」と強調した。

 大島や阿部を負傷で欠いた上に、主力のMFエドゥアルド・ネットと家長が出場停止で抜けた。そのため、センターバックが主戦場の谷口は約半年ぶりにボランチに入った。「もっと動いてボールを動かしたかった」と反省したが、前半終了間際にFW三好のゴールの起点となった。守備では高さと対人の強さを発揮。鬼木監督は「彼が真ん中にいると落ち着きが出る。ボランチでもっと伸びる思いはある」と言うほど“代役”以上の働きだった。

 広島の激しいプレスに手を焼く時間帯はあったが、終わってみれば3-0の快勝。万全な布陣を組めない中、谷口が決めれば負けなしの記録は7(6勝1分け)に伸び、チームは11試合連続負けなし。中村は「メンバーが入れ替わりながらも、相手の隙を突いて点を取ることができた。だいぶ、したたかになってきた」と手ごたえを口にした。

 鹿島との勝ち点差が2に縮まったことは、移動の新幹線の車中で知った。悲願の初タイトルへ最後まで食らいつく覚悟だ。【岩田千代巳】